イギリスそよ風もよう

ー庭やアロットメントでのガーデニング、いけばな、フラワーアレンジメントの日々を綴りますー

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オープンガーデン


                             22nd May 2009



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 個人のお庭を一般に公開して、その入場料をチャリティーに寄付するというオープンガーデンのシーズンに入りました。私どもの住む町に隣接する村々でも、週末は必ずどこかしらの村で実施されております。これらのお庭は、一般に公開することを前提に作られたお庭ではなく、日常の暮らしの中で築かれてきた個人のお庭ですから、住まわれる方々のライフスタイルも垣間見え、大変興味深いものがあります。 

 この何年間か私自身はそれらの場所に出向く時間的な余裕も無かったのですが、今年は友人のお庭も初公開というご案内をいただきましたので、何を差し置いてもとばかり、お訪ねいたしました。
 この村でオープンガーデンを始めたのは数年前からなのだそうです。今回は8軒のお宅のお庭が公開されました。最初の場所で日本円に換算しますと約500円ほどの入場料を支払い、それで8軒のお庭をお散歩気分で拝見することができました。



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 最初のお庭に伺って、個人のお庭にしてはあまりの規模の大きさに驚いてしまいました。道路からお家までの距離は200メートルほどはありましたでしょうか。まるでランドスケープガーデンという規模なのです。中程に見えるのは池ではありません。川なのです。




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 お家の真下を川が流れています。




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 そうなのです。ここは古くは製粉所だったのです。水車が見えますね。今も粉が挽かれているかどうかはわかりませんが、あの水車は回り続けておりました。このお宅のことを村の方々はミルハウスと呼んでいます。村人たちは、かつてはここの‘水車小屋’で粉ひきをしたということなのでしょう。
 右端に見える馬は、ブロンズ製のようです。川の向こう側に渡ってみましょう。




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 柳の足元に赤やブルーの色が見えますが、岸辺にうつぶせにしたボートだと思いました。あるいはカヌーだったかもしれません。あそこにはもう一本、左の川に並行して大き目の川が流れており、小船なども浮かんでおりました。高くそびえるポプラの木のある辺りもこのお宅のお屋敷の一部ではないかと思います。
 お家の向こう側の眺めはどうなっているのでしょうか。




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 大きなお家ですね。左端に少し水車が見えています。右側の建物は、1812年の建築だそうですから、200年ほど前の建物ということになりますね。左側は比較的近年の建物にも見えましたが・・・。




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 右に視線を移しました。あの建物の中には何があるのでしょうか。大勢の方々が出入りしておられました。




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 車庫だったのです。他にもほぼ同じサイズの車庫があり、いずれの車庫の中にもクラシックカーが6台ずつ納まっておりました。当然ながら埃もかかっておりません。ピカピカです。




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 この車は結婚式の時に業者の方が使う車に似ています。車種など私にはさっぱりわかりませんが、紙片には、VANDENPLAS PRINCESS LIMOUSINE 1962 と記されておりました。

 それにしましてもお庭拝見ということで伺いましたので、このようなゴージャスなクラシックカーを数多く拝見させていただけるとは、予想も致しておりませんでした。本物を拝見できる幸せ気分にどっぷりと浸からせていただきました。他にモーターサイクルなども10台ほどありましたし、大きな車輪の自転車も飾られておりました。ここにお住まいのご当主はクラシックカーなどのコレクションがご趣味の方のようですね。

 予告もありませんでしたから、他の方々も思いがけないナイスサプライズに感激されたこと思います。このようなお宝公開はリスクも伴いますのに、持ち主のご好意に感謝いたしました。




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 手前のレーシングカーにはM.SCHUMACHERと車体に記されてありますので、シューマッハの乗ったレーシングカーなのでしょうね。




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 こちらにはSENNAの名前が車体に書かれてありました。ヘルメットにもSENNAの名前があります。’94年に事故死されたアイルトン・セナのレーシングカーでしょうか。壁に激突したときの衝撃的なシーンを繰り返しニュースが報じていたのを、鮮やかに思い出してしまいました。
 これら2台のレーシングカーには、きっとそれぞれに興味深いストーリーがあることと思いますが、ご当主から伺わない限り、私たち見学者にはわかりませんね。

 このお宅も初めてオープンガーデンに参加されたと友人から伺いました。これだけの広大なお庭をオープンされるためのご準備は大変だったことと思います。ご当主さまに感謝しながら、このお宅を離れました。



  
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 ここがこの村の中心地です。パブが二軒、それに何でも少しずつ売られている万屋さんのようなスーパーマーケットが見えます。写真には見えませんが、小さなフィッシュ&チップスのお店もあります。お店はたぶんそれだけだと思いますが、イギリスの田舎でしたらどこにでも見られるような、平和で落ち着いた小さなヴィレッジの光景です。
 ロンドンのような大都会では、普通に暮らすイギリス人に会うことも少ないと思われますが、このような田舎では、いわゆるイギリス人の暮らしに触れ合うことができます。




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 これは三軒目のお庭の写真です。サイズ的には小さめのお庭でしたが、お手入れが行き届いた素敵なお庭でした。特に私の目を惹いたのがこの池周りのデザインです。写真の左右に小さな日本風の石灯籠が見えますね。左の石灯籠のそばには日本のカエデの鉢植えも置かれてありました。これは明らかに日本風を意識されて造られたコーナーだと思います。
 お庭の一部に日本風なタッチを加えることは、こちらのお庭好きのあこがれでもあるということを、このようなお庭訪問を通してしばしば実感させられております。





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 さてこの日のハイライトである、私の友人、Aさん(日本人)のお庭拝見です。友人と申しましても英国ご在住歴は50年を数え昨年金婚式をお祝いされました。私の住む町の界隈には日本人はほとんどおられませんから、この方は数少ない日本人のお一人で、 しかもガーデニングが大好き、美しいものが大好きというお方、私にはとても大切な人生の大先輩なのです。

 右に見えておりますのはサマーハウスです。




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 Aさんは日本人をご両親としてハワイで生まれ、御幼少時をハワイで過ごされましたが、戦争開始と同時に日本に引き揚げられました。
 やがて朝鮮戦争が始まり、当時通訳をしておられたAさんは、国連軍に伴って呉に来ておられた現在のイギリス人のご主人との御縁がつながることになったのです。

 ロマンティックなAさんには、このようなオーナメントがお似合いです。




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 芝刈りはご主人がなさるそうですが、植物のお手入れはすべてAさんがなさると伺いました。




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 ここは昨年出来上がったAさん念願の日本庭園です。鯉も泳ぐ池造りを実現されました。グリーンのネットを池に被せてありますのは、サギに鯉を食べられないようにするためです。




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 素敵なパティオもできました。水の流れる音を聞きながらの、朝食やティータイムは素敵ですね。50年も前に後にした遠い日本のことを思いながら、ここで過ごされる時間を大切にしていらっしゃることでしょう。




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 訪れた方々も、ここは何てピースフルなんでしょうと、称賛のコメントを惜しみません。
 写真中央の後方に、柱が見えますが、あれは私の目には神社の鳥居のイメージにも重なります。A
さんには、あるいは遠い故郷の原風景のおひとつかしらとも思いましたが、まだあの建造物の意味を伺ってはおりません。




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 こちらは6軒目に拝見したお庭のあるお宅です。このお家は16世紀のチューダー時代の建物だそうですから、四百数十年も経っていることになりますね。
 この建物は実は左にも長く続いていたのだそうですが、古くに焼失してしまったとのこと、焼け焦げた柱や板ががむき出しになっておりました。そんな部分も大切に保存して語り草にされるところなど、とてもイギリス的だと感心してしまいました。




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 建物の左側の奥にお庭の入口がありました。カリフォルニアン ライラックとも言われております、セアノサス(Ceanothus)が塀の上で見事に咲いています。




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 正面にレンガで囲まれたものが見えますが、あれは今でも水をたたえている、立派な井戸なのです。使われてはいませんけれど、古くから存在するものは大切に保存されています。




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 お庭の奥からお家に向かって写しました。左に見えます黄色いお花は、ラバーナム(Laburnum)という花木で、多分Laburnum X watereri ‘Vossii’ではないかと思います。葉も枝も種にも毒性があるとのことですが、藤のお花のように垂れ下がって咲くところがエレガントで人気があり、今の時期、各所で見られます。

 最初のお宅で長く楽しませていただいたこと、友人のお宅でティーも御馳走になりましたし、開園時間の3時間はたちまち過ぎてしまいました。ここまで拝見しますと、残りの二つのお庭にも心が残りますが、またいつの日かきっと機会はめぐってくることでしょう。
 チャリティーのために大切なお庭をオープンしてくださったこのヴィレッジの方々に心から感謝しながら、帰路につきました。


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  1. 2009/05/23(土) 02:27:50|
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  3. | コメント:12

プロフィール

はなあかり

Author:はなあかり
 人生も後半にさしかかり英国で暮らすことになりました。今では黄昏年齢となり、それが花灯りの名前の由縁でもあります。日本に残してきた小さな庭にいつの日か帰る夢を抱きながら、一方では、自分好みに染まるこちらの庭への愛情もはかりしれません。
 2002年にアロットメントに植えたグリーンゲージなどの果樹類も大きく育ち、秋には収穫を楽しんでおります。

 City & Guilds にてFlower Arranging Skillsを、NAFAS (National Association of Flower Arrangement Societies)では、Floral Art & Design のDiploma を取得しました。
 1998年に<いけばな>指導をスタートし現在に至ります。2007年に、ご関係者からのご要請とお仲間のご支援のもと、ロンドンに<いけばな>の新組織を立ち上げました。以来、組織の運営に関わりながらお花の指導を続けております。

 自宅の庭は、<いけばな>や英国風フラワーアレンジメントに必要な植物素材を調達する上で、大変有益で大切な場所になっております。2010年からは、すべてひとりで手入れしておりますので、メンテナンスの少ない庭は必須となり、今ではシュラブ類と宿根草のみの庭になりました。
 更新は稀ですが、折々にお出でいただければ嬉しく存じます。

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