イギリスそよ風もよう

ー庭やアロットメントでのガーデニング、いけばな、フラワーアレンジメントの日々を綴りますー

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秋の庭

                               November 7th 2014


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 イギリスは10月26日にサマータイムが終わり、時計の針を1時間巻き戻しました。日没時刻はそれまでよりも1時間早くなり、この日を境に夜の訪れが急速に早まった感が致します。日本との時差は8時間から9時間になりました。

 庭も次第に晩秋の風情になりましたが、今回も前回に続き薔薇のセカンドフラッシュの様子などから、ご覧いただきたいと思います。

 正面中ほどに立ち上がる宮城野萩(Lespedeza‘Thunbergii’)の勢いには、圧倒させられるものが有ります。毎年花後の葉の黄葉を楽しんだ後は、すべての枝を地表近くまで切り戻しますが、翌年には再びこのように丈高く伸びて、雅な花姿を見せてくれるのですから。



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 アイスバーグ(Icebarg)のセカンドフラッシュです。左側中ほどにエキノプス(Echinops Taplow Blue)のブルーの玉がポンポンと見えますが、花後にしなびた花柄をしごき落としますと、再び美しいブルーの玉が現れます。



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  パット オースティン(Pat Austin)の大らかでゆったりと咲く風情に、心が和みます。



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 捜し求めていたバーガンディー アイス(Burgundy Ice)のスタンダード作りに、偶然にも近くのガーデンセンターで出会いました。植え場所が定まらなくてしばらく鉢植えのまま管理しておりましたが、他のプラントを整理して、パット・オースティンのすぐ脇に落ち着くことに。
 この場所に植えつけて初めてのお花ですが、この庭に来て二度目のフラッシュです。



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 バーガンディーアイスが加わり、高低差が出来たことで、新たなリズム感が生まれたかもしれません。
 右側のピンクの秋明菊は比較的長い期間咲いて、秋の風情を盛り立ててくれます。



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 この時期に咲くジュビリー セレブレーション(Jubilee Celebration)は、6月の花色よりもやや濃い目のようです。後方にピンクのお花がちらほら見えますが、菊花状に咲く昔ながらの秋明菊です。



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 中央の樹木は樹齢十数年の実生の柿の木です。数年前に一輪だけお花が咲きました。イギリスで柿の木をまだ一度も見かけたことが有りませんから、珍しい一本だと思います。実は生らなくても大切に守りたいと思っています。
 左のオレンジ色のお花はノーゼンカズラで、こちらではキャンプシス(Canpsis grandiflora)と呼ばれていますが、トランペット ヴァイン(Trumpet Vine)という英語名も有るようです。



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  柿の木の脇を過ぎますとこのようにバックガーデンにつながります。この辺りはキッチンガーデンコーナーで、ハーブなどを栽培しております。ニラ、チャイブ、ミント、タイム、レモンバーム、茗荷などなどですが、紫蘇や青紫蘇も有ります。



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 ホットチョコレート(Hot chocolate)は、6月の咲き始めから次々と新しいシュートが立ち上がり、常に咲いている感が有ります。


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 リッチフィールド エンジェル(Lichfiield Angel)は勢いのある薔薇で、四方に長く枝を拡げてしな垂れるように咲きます。これらの繊細で可憐なガーデンローズを使って、花嫁さんのキャスケード型ブーケに仕立てたら、どんなにか素敵でしょう。



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 ジュビリー セレブレーション(Jubilee Celebration)は写真写りの良い薔薇で、ブログに登場する回数も増えて参ります。


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 南方の暖かな国のお花ですから、英国内でこのキャンプシス、グランディフローラのお花を見かける機会は少ないように思います。私の庭でも10年を超えますのに、今年ほど豊かにお花を見せたのは初めてのことでした。ご近所の方々も初めて目にするお花に、スプレンディド!と仰り、感激されたほどです。
 きっと今年の夏の暑さ加減がこのプラントの開花を促してくれたのでしょう。それほど今年は、寒暖の差も少なく気温が高めに安定しておりました。今までの夏の中で最高に快適な夏だったと、どなたさまも口を揃え、過ぎ行く夏を惜しみました。
 

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 庭の一角に、狭くても水場が有るのは心が癒されます。
 これら二つの小さな池には高低差が有り、水は常に濾過されながら循環しております。流れ落ちる静かな水音が耳に心地良く、しばし目を閉じて遠い故郷の小川のせせらぎに思いを馳せることも・・・。
 この水場に小鳥たちは水を求めて通ってきますし、猫たちは水を呑むついでに、手を伸ばして池の小魚たちをからかっております。


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 十数年前に樹齢60年は超えているかと思えるような庭のコニファーを伐採しました。切り倒された木材の一部は、今でもこのような形で庭のオーナメントとして存在感を示しております。
 シュラブ類の小枝なども必要に応じて生け垣の足元などにまとめておきますと、それらはコニファーの丸太同様、次第に朽ち果てて、やがて土に返るのですけれど、その間は小さな虫達の大事な棲家になります。小虫たちや野鳥たちと共生し、ナチュラルライフを尊ぶ英国人のお庭では、このようなコーナーを見かけるのは普通のことだと思います。
 英国に来て学んだイングリッシュガーデンの奥深さの一つでしょうか。



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 このようにわずかに木漏れ日の射す光景も気に入っています。



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 デイヴィッド オースティン氏は、2005年のこの新作薔薇に、トラファルガー海戦の200周年記念として、レイディー エマ ハミルトンという女性の名前を冠しました。
 時はナポレオン戦争の時代、1805年、ナポレオンは英仏海峡にフランスとスペインの連合艦隊を集結させて、イギリス本土征服を企てました。しかし、イギリスのネルソン提督(1758-1805)によって撃破され、企画の放棄を余儀なくされます。提督もこの1805年の海戦で戦死しましたが、以来イギリスでは歴史上の偉大な英雄として崇められてきました。
 レイディー エマ ハミルトンという女性は、このネルソン提督の愛人であったことは衆知の事実で、英国民の間では秘話の如く語り継がれている一つのドラマのようでもあります。
 
 この女性は不遇な境遇に生を受け、家政婦として働き始めましたが、持ち前の美貌や才能ゆえに、数奇で波乱に満ちた生涯を歩むことになるのです。 ウイリアム ダグラス ハミルトン卿と結婚し、レイディー エマ ハミルトンとなりましたが、その後、ネルソン提督と恋に落ち、ハミルトン卿の妻でありながら彼の愛人になりました。やがてハミルトン卿が亡くなり、ネルソン提督も戦死、孤独感にさいなまれながら、最後は債権者から逃れるために提督との間に生まれた子供共々フランスに渡って、悲壮な晩年を送りました。

 国民に英雄視されるネルソン提督とは対照的に、相続遺産もほとんど無く、報われずに非業の最期を遂げたレイディー エマ ハミルトンでしたが、オースティン氏作出のこの愛おしく美しい薔薇に、彼女の名前が命名されたことによって、世界中の薔薇愛好家に彼女の名前は知れ渡ることになりました。



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日ごとに咲き進む宮城野萩を眺めるのは、この時期の楽しみの一つでもあります。



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 日本の野菊を思い起こさせてくれるアスター、 ヴァイオレット クイーン(Aster ‘Violet Queen’)が今年も咲き始めました。



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 赤いお花はこちらではシーダム スペクタビレ(Sedum spectabile)と呼ばれ、シーダム類の中ではもっとも一般的な種類です。日本のオオベンケイソウと同じでしょうか。色は次第に濃くなりますが、大きな塊のようなお花が同じ形で3ヶ月間ほど動きません。存在感は抜群です。



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 レイディー エマ ハミルトンは、次々と蕾を立ち上げ、休むこと無く咲き続ける種類だと思います。
 ところで、私は9月21日にバーミンガムまで参りましたが、その際、時間に余裕が出来ましたので、更に北のWolverhamptonのデイヴィッド オースティンバラ園まで車を走らせました。

 久々に訪れたバラ園でしたが、何とお店のエントランスの両サイドの植え込みはレイディー エマ ハミルトンでは有りませんか。思いがけなく数十本もまとまって咲くエマ ハミルトンに迎えられて感激致しました。このバラはデイヴィッド オースティン氏にとっても、ご自慢の種類であることを改めて納得させられた次第です。



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 アスター ヴァイオレット クイーンも満開になりました。



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 宮城野萩の滝の水の流れのようにしなだれた枝先は、わずかな風さえも受け止めて揺れそよぎます。



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  ロムニヤ (Romneya coulteri) の英名は、ツリーポピー(Tree poppy)、さらにカリフォルニアポピー(Californian poppy)とも言われております。一見デリケートに見えますが、咲いたお花は5~6日はきれいな形のままですから、かなりタフなお花だと思います。丈が1.5mほど伸張してその先に開花しますので、このように倒れた枝先のお花でなければ写真に収めるのは容易では有りません。



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 トピュアリー型の斑入りセイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium ' Argentea Marginata)の実が、9月末の時点で、このように綺麗に色付きました。こんな姿を思い描いて憧れてはいましたが、それにしましても、これは出来すぎではないかしらと私自身嬉しい驚きを隠せません。

 『実物が豊かな年の冬は寒さが厳しくなりますよ』 と、91歳のお隣さんが教えてくださいました。昨年は暖冬で一度も霜が降りませんでしたけれど、11月6日の今朝、庭には初霜が降りていました。
 つい一週間前のハローインでは夏日のように20度を超える暖かさ、過去のハローインの気温の記録を更新したとニュースで報じられておりましたのに。
 迎える冬はお隣のご夫人の仰るとおり、厳しい寒さになるかも知れません。



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 椿の枝にしな垂れた、エイ シュロップシャー ラド(A Shropshire Lad)。
 お花の周りには蕾がまだ控えています。



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 マンステッド ウッド(Munstead Wood)の、この深みのある深紅色とフルーティーな香り、素敵です。



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 この白萩(Lespedeza White Fountain)は、この場所に植えて4年が経ちました。紅紫色の宮城野萩に枝葉や花の咲き方が大変よく似ています。庭のコーナーにある小さなお休み所、アーバー(arbor)から写しました。
 私の思いが白萩に絡まるひと時です。



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 ホットチョコレートの後方で余り目立たない存在のニシキギ(Euonymus alatus)ですが、秋が深まり見事に紅葉しました。枝に硬いコルク質の翼が目立ち花材としても重宝です。

 ホットチョコレートは10月の終わりが近付いてもまだこのように咲いています。シーズンに一度しか咲かないお花には、それはそれとしての大きな魅力が有りますけれど、薔薇は6月から10月まで5ヶ月もの間、次々と花芽を立ち上げて咲き続け衆目を集めます。
 私の庭に薔薇の種類が数多くあるわけでは有りませんが、それぞれの薔薇の個性にますます引き込まれていきます。



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 テス オブ ザ ダーバヴィルズ(Tess of the d'Urbervilles)を、雨上がりに写しました。花弁の表面はこのように雨粒を弾くのですね。何やら初々しくてキュートな、ダーバヴィル家の‘テス’の表情です。



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  1. 2014/11/07(金) 07:38:55|
  2. | コメント:12

プロフィール

はなあかり

Author:はなあかり
 人生も後半にさしかかり英国で暮らすことになりました。今では黄昏年齢となり、それが花灯りの名前の由縁でもあります。日本に残してきた小さな庭にいつの日か帰る夢を抱きながら、一方では、自分好みに染まるこちらの庭への愛情もはかりしれません。
 2002年にアロットメントに植えたグリーンゲージなどの果樹類も大きく育ち、秋には収穫を楽しんでおります。

 City & Guilds にてFlower Arranging Skillsを、NAFAS (National Association of Flower Arrangement Societies)では、Floral Art & Design のDiploma を取得しました。
 1998年に<いけばな>指導をスタートし現在に至ります。2007年に、ご関係者からのご要請とお仲間のご支援のもと、ロンドンに<いけばな>の新組織を立ち上げました。以来、組織の運営に関わりながらお花の指導を続けております。

 自宅の庭は、<いけばな>や英国風フラワーアレンジメントに必要な植物素材を調達する上で、大変有益で大切な場所になっております。2010年からは、すべてひとりで手入れしておりますので、メンテナンスの少ない庭は必須となり、今ではシュラブ類と宿根草のみの庭になりました。
 更新は稀ですが、折々にお出でいただければ嬉しく存じます。

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