イギリスそよ風もよう

ー庭やアロットメントでのガーデニング、いけばな、フラワーアレンジメントの日々を綴りますー

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2)チェルシーフラワーショー ’09

                             17th August 2009


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 チェルシーフラワーショーの初回(6月15日)は、ショーガーデン部門をご覧いただきました。
 今回はアーバンガーデン部門をお目にかけます。ショーガーデンに比べますとサイズはほぼ四分の一前後の大きさで、街中のガーデンという設定です。



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 このガーデンをデザインなさったのは、二宮孝嗣さんと、粟井琢美さんです。 このアーバンガーデン部門には毎年のように日本人のガーデンデザイナーが出展なさり、大変良い成績を修めて来られました。
  市松模様のマットの上には、茶器が置かれているのが見えます。




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 お庭のタイトルは“A Japanese Tranquil Retreat”、都会の喧騒から離れて静かに茶の湯などを嗜み‘閑’をとる、隠れ家的なお庭という設定なのでしょうか。




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 デザイナーのお一人、二宮孝嗣さんです。過去に何度もチェルシーに出展され、華々しい受賞歴がお有りになります。今年も銀賞に輝きました。




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 BBCの取材の光景です。テレビで見慣れている女性アナウンサーの姿が見えます。




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 今年もアラン ティッチマーシュさんをお見受けしました。老若男女を問わず、この方ほど英国の‘庭好き’に親しみをこめて迎えられる方も少ないのではと思うほどポピュラーなお方です。
 ご職業はアナウンサー、ガーデナー、小説家ということのようですが、ガーデニングの御本は40冊も出版されており、ガーデニング界での御活躍は群を抜いておられると思います。
 幅広い知識、温厚なお人柄でファンも多いティッチマーシュさんですが、15歳で学校を離れ自立のためにガーデナーの見習いから始められたという努力の人でもあられます。

 チェルシーショーのTV総合司会者は毎年この方がなさいますので、このショーに出向くたびに必ずどこかでこの方の撮影シーンを目の辺りに致しますが、今年もお見受けできて幸せでした。


 

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 最初に拝見したときに日本的なタッチが感じられたのですが、デザイナーのSarah Eberleさんは最近お仕事先の中国から帰国されたということですから、むしろ中国的なのでしょうかしら。





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 テーマは‘Banker’s Garden’、 こちらのお庭も↑のガーデンをデザインされた方と同じデザイナーのデザインです。
 実はこのデザイナーには、これらの他にももう一点、出展されていますので、同じアーバンガーデン部門に三点も出展しておられることになります。そのようなことが可能なのですね。

 この方は過去のチェルシーショーに於いて8個も金メダルを受賞されたという受賞歴がお有りなのだそうですが、今回の三つのお庭はこの’Banker’s Garden’がシルバーギルト、他の二点はシルバーという結果のようでした。





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 、お庭にサイコロが二つ転がっています。手前のサイコロの上にはミニカー、奥のサイコロの上にはブーツが片方載っています。脇には豪華版のヨットのようなものが傾いた状態で見えますし、さらにアイロンや、奥の方には置物の小さな犬の姿もみえます。
 それらの意味の解釈は私には難しいのですが、マネーの操作は銀行家にとってサイコロを振る‘賭け’のようなものだという意味合いを含ませたのでしょうか。




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 テーマは‘Nature Ascending’、ゴールドメダル受賞のガーデンです。




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 モダンとナチュラルのバランスも良く、このような調和のとれた美しさにはホッとするものを感じます。 



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 これは1984年生まれの三人の若者によってデザインされました。テーマは‘1984’です。缶が転がっていますし、薪も積み上げらていますね。きっと1984年という時代を反映させたデザインなのでしょう。




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 ‘Nursery Garden’、幼い子供たちの遊ぶ庭をイメージされたガーデンのようです。
 珊瑚色の燃えるように見えるカーペット状のヒューケラは‘Heuchera ‘Peach Flambe’で,手前の黄色い竹はゴールデンバンブー(Phillostachys aurea aureocaulis)です。




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 ‘Help for Heroes Sanctuary Garden’
 ヒーローとはここではアフガニスタンやイラクに出兵している方達のことをさしているのでしょう。日本では考えられないことですが、英国では20歳前後の若者から、30代40代の職業軍人の方々まで、戦死されたというニュースが日常的に人々の耳目に触れるのです。
 肉体的、精神的に傷ついて帰国される兵士達のことまではニュースには登場しませんが、たくさんの犠牲者がおられるはずです。
 このガーデンは職業軍人を夫に持つ女性がご主人と共にデザインされました。説明にはヒーローによるヒーローのためにデザインされたガーデンだと記されております。ご主人はこのチェルシーショーのオープン間際に、任務に就くためアフガニスタンに送られたということです。

 



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 英国には体に感じるような地震もほとんど無く、台風も無ければ豪雨もない、洪水やたまに竜巻の被害はありますが、それによって命を落とす人はほとんどおりません。日本とは比べようもないほど自然災害の少ない平穏な国土なのです。でもその一方で、戦死者のニュースを日常的に耳目にしなくてはならない現実に、大きな違和感を感じ続けて参りました。

 こちらの方がたにとっては、‘この平和な国土を守るため’に‘戦死’された兵士や、‘戦地‘に赴く兵士たちは皆ヒーローなのです。このガーデンは、そのようなヒーロー達の心の癒される場所としてデザインされ、さらにヒーローの方々のために募金を募っておられるということが記されてあります。
 
 戦死者のニュースではユニオンジャックの旗でおおわれた棺が、盛装した兵士たちによって飛行機から運び出される厳かなセレモニーの場面が映し出されます。英国人の多くはヒーローを迎える眼差しで感慨深くそれらの画面を見ておられるのは当然かもしれません。でも日本人である私は、何度見ても見るたびに複雑な思いに支配され、穏やかではありません。 
 そこには必ずその兵士の母親の立場に立つ私がいて、何故に他所の国に出向いてまで大切な命を落とさなくてはならないの、ヒーローになどならなくていいのよと言いながら例外なく目がしらを熱くしております。




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 ’The Fenchurch Garden’
 シルバーギルトメダルの他に特別賞のMost Creative Awardという賞を受けておられました。
コンクリートをデザインの一部にされた意外性や壁面利用の植栽も素敵です。




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 モダンなデザインですが、プラントの選択や配置はナチュラルでとても素敵だと思います。私にはコンクリートまでが大木の‘根っこ’に見えてしまうほどでした。大変洗練されたお庭だと思います。東京のビル街の一角にこんなお庭が登場したらきっとナイスマッチだと思いますけれど。





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 チェルシーフラワーショーでは、しばしば世間をアッと驚かせるような展示が登場します。このガーデンもマスコミなどに話題を提供した一件でしょう。
 実はここに使われている素材はすべてがプラスチックなのです。チェルシーフラワーショーにプラスティックのお庭を出展するなんてと、中には嫌悪感を感じられる方もおられるはずですね。

 私はこの展示を拝見したとき、日本のレストランなどで必ず見かけるお寿司などのメニューのサンプルを思い浮かべたのです。このデザイナーはガーデンのサンプルという意味合いをこめたのかしらとも思ってしまいました。いろいろな解釈がありますでしょうね。多くの話題を提供したことだけは明らかです。




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 このアーバンガーデン部門の結果を調べましたら、総出展数は16で、金賞3、純金賞5、銀賞6、銅賞1、という内訳のようです。この注目のプラスティックガーデンだけが従来の賞の対象からは外されれましたが、Special letter、‘An unusual award for an unusual garden’というものが授けられたようです。
 そしてこれは確認したわけではありませんがプラスティックメダルという前代未聞のメダルが授けられたとも伺いました。こういう粋な計らいは英国的なユーモアが垣間見えて、なんとも楽しくなってしまいます。




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 さて最後はもうおひとかたの日本人デザイナー、Tomoko Osonoeさんのガーデンです。テーマはModern Rock Garden、おしゃれな都会の一角に似合いそうな洗練されたデザインです。準金賞、シルバーギルトという立派な賞を受けておられました。





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 このお写真の方がTomokoさんです。こんなにお若いデザイナーがチェルシーフラワーショーに出展なされて頼もしい限りですね。この方の将来の御活躍が期待されます。この先、何度もチェルシーでお目にかかれますように・・・。


 

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  2. チェルシーフラワーショー
  3. | コメント:6
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コメント

街中のガーデン

こんばんは。

色々なお庭があって楽しいです。お庭に対する創造力は感嘆します。
植物以外の部分に使っている色も紫、ピンクと多様です。
プラスチックも植物性のものもありますから、あながち排他的になる必要もないかも
しれませんね。特別に賞を作ってしまうあたり本当にユーモアがありますね。
日本は台風、地震が多い反面、戦後ずっと平和を維持してきました。
8月は戦争をテーマにしたニュース、TVなども多いです。
当時英雄として送り出された人たちが今の日本の姿を見てどう思うか、考えさせられます。
  1. URL |
  2. 2009/08/18(火) 22:44:13 |
  3. パンドラ・ヴィス #FPA1ayiE
  4. [ 編集]

初めまして

こんにちは。

最近こちらにお邪魔して楽しませていただいております。
イギリスの情報やいけばなのこと、素敵なブログですね。
私も草月をちょっとかじっておりますので、そちらも興味あります。
これからも楽しみにしております。
(6月末に初めてイギリスに行くチャンスがありました。)
  1. URL |
  2. 2009/08/19(水) 14:55:33 |
  3. Shumho #bXXffo9.
  4. [ 編集]

パンドラ・ヴィス さま
 さまざまな思いを込めてデザインされたお庭が出展されていますね。どのような意図があるのかしらと考えながら見て回るのはとても楽しいものです。
 チェルシーショーで私が真っ先に駆け寄るのはガーデン部門ですが、他にもガーデニングにかかわるあらゆるものが展示されていますから、朝から夕方8時まで歩き続けましても、すべてを見尽くすことはできない規模の大きさです。

 これはRHS(王立園芸協会)主催のショーですから、メインの素材は植物素材を使うということが大前提になっているのではないかと思います。まさかプラスティックガーデンで応募して来られることは主催者側でも想像もしていなかったでしょうね。それを受け入れたというところが、RHSの懐の大きいところでもあるのでしょう。

 日本人は無残極まりない敗戦を経験していますし、私なども徹底した平和教育を受けて育ちました。現在、海外に在住します私は、日本人の平和を希求する心は世界にどの国にも勝るのではないかと、そしてそのことを大変誇りに思っています。
  1. URL |
  2. 2009/08/19(水) 21:24:07 |
  3. はなあかり #gy/qpaFs
  4. [ 編集]

Shumho さま
 お出で戴きましてありがとうございました。
 私も早速お訪ねさせて戴きましたが、Shumhoさまのブログは年数も長くお続けになっておられ、大変ご立派なブログですね。同じお流派の生け花ですし、これからは私も時々お伺いさせていただいて、ブログを通じてお勉強させて戴こうと、先が大変楽しみになりました。 今後ともどうかよろしくお願いいたします。
 
 6月末のイギリスは、小雨の多い時期でしたかしら。お庭は最も美しいシーズンの筈ですから、きっとお楽しみになられたのではないかしらと思います。
  1. URL |
  2. 2009/08/19(水) 21:36:19 |
  3. はなあかり #gy/qpaFs
  4. [ 編集]

管理人のみ閲覧できます

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  1. |
  2. 2009/08/28(金) 12:23:26 |
  3. #
  4. [ 編集]

Re: はじめまして

C さま
 お出でいただきましてありがとうございました。ガーデンデザイナーの粟井さんはCさまの旧知のお知り合いでいらっしゃるのですね。粟井さんデザインのお庭の写真をアメリカご在住のCさまにお目にかけることができて、私も嬉しく思います。私はこの日、粟井さんにはお目にかかっておりませず、Cさまに粟井さんもご一緒のお写真をお目にかけられなくて、残念に思います。

 アメリカのお庭はダイナミックなものが多いとのこと、大きなお家、広~い芝生のお庭、やはりそういう感じになるのでしょうね。確かに英国のガーデン文化は人々の誇りとするところだと私も思います。
  1. URL |
  2. 2009/08/29(土) 20:27:58 |
  3. はなあかり #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

はなあかり

Author:はなあかり
 人生も後半にさしかかり英国で暮らすことになりました。今では黄昏年齢となり、それが花灯りの名前の由縁でもあります。日本に残してきた小さな庭にいつの日か帰る夢を抱きながら、一方では、自分好みに染まるこちらの庭への愛情もはかりしれません。
 2002年にアロットメントに植えたグリーンゲージなどの果樹類も大きく育ち、秋には収穫を楽しんでおります。

 City & Guilds にてFlower Arranging Skillsを、NAFAS (National Association of Flower Arrangement Societies)では、Floral Art & Design のDiploma を取得しました。
 1998年に<いけばな>指導をスタートし現在に至ります。2007年に、ご関係者からのご要請とお仲間のご支援のもと、ロンドンに<いけばな>の新組織を立ち上げました。以来、組織の運営に関わりながらお花の指導を続けております。

 自宅の庭は、<いけばな>や英国風フラワーアレンジメントに必要な植物素材を調達する上で、大変有益で大切な場所になっております。2010年からは、すべてひとりで手入れしておりますので、メンテナンスの少ない庭は必須となり、今ではシュラブ類と宿根草のみの庭になりました。
 更新は稀ですが、折々にお出でいただければ嬉しく存じます。

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